キモイあいつ

パソコンインストラクターしてて、受講生は大抵大学生やフレッシュな社会人が多かったのだけど、
その中に混じってキモイあいつがいた。

その男は聞いた話によると40歳くらい。
視線が湿っている。げげっ。
顔に表情がない。うぇ。

あたしがいた所はパソコン以外にも資格取得講座がたくさんあって、
そいつはパソコンを習う前から他の講座もたくさん取っているようで、
とにかく毎日毎日学校にいる。
見ているだけでもなんだかキモかった。

で、いよいよそいつがパソコンを習いに来た。うぐっ。
最初、初心者向けにペイント(お絵かきソフト)を使って
ドラッグの練習をするのだけど、キモさ全開。

「じゃあ、何でもいいのでドラッグして描いてみて下さい」
そいつの画面を見に行って奴が描き始めたのは、あたしの名前。
そして奴が一言。
「これ何て読むの〜?」げーーーーーっ。
ゾゾッーってなった。キモイ。なんていうキモさだ。

そしてまた次の授業。
タッチタイピングが出来るようにっていう練習があって、
そいつは昔ワープロ使っていたようで、タッチタイピングは出来るらしい。
そんなこと知らんし、あまり無視するのも悪いかと思って見に行くと、
視線はあたしを見上げたまま、そいつが画面にタッチタイピング
「○○(あたし)さんがすき」だと。ノーーーーーーーーーーーーーーーっ。

気分は教室の外へ出ていた。もうだめ。誰か助けてー。ヘウプミー。
ほっぽりだして逃げるわけにもいかないので、
自分のPCへ戻り、画面にひたすら入力するあたし。
「キモイ。キモイ。帰りたい。帰りたい。嫌だ。嫌だ。」
あたしが入力練習してどうすんねん。

それ以来、かなり冷たい態度をとってはいたものの、奴は相変わらずだ。
あたしがある日髪の毛を切って行って、それを見て奴、ニヤリと笑い
「あ、せんせー髪切ったー?」こぇーよー。
サワヤカな大学生君から言われれば「あ、わかる?」と
こちらもサワヤカに返すところだけど、無理。

そしてそこを辞めることになって、もちそいつには何も言わず辞めた。
当たり前だよ!!だってキモイから。
後任者が来たので「あれ?せんせーはー?」と聞いたらしい。
その人も気使って「さあ、どうなんでしょう」とか言ってくれたらしい。
キモさは十分引き継いだので。

すると奴
「だまって辞めちゃだめだ〜」だって。勘弁してください。